中村レディースクリニック
硬膜外麻酔による無痛分娩マニュアル
⚫️インフォームドコンセント
1. 「無痛分娩を受けられる方へ」(別添文書参照)等を参考に、患者説明を外来の妊婦健診で行う。
2. 基本的にオンデマンド無痛分娩であるが、希望により計画無痛分娩も行っている。
3. 生じうる産科合併症としては、微弱陣痛や児頭の回旋異常による遷延分娩、吸引分娩の増加、一過性胎児心拍数の低下などを説明する。
4. 麻酔合併症としては、全脊髄くも膜下麻酔、局所麻酔薬中毒、硬膜外血腫、血圧低下、発熱、硬膜穿刺後頭痛、背部痛、掻痒感、感染、抹消神経損傷(お産が原因のことが多い)などを説明する。
5. 局所麻酔薬中毒や脊髄くも膜下誤注入について説明し、絶食の意義を理解してもらう。少量分割注入で重篤な結果は回避できると説明して安心も提供する。
6. 完全な無痛ではなく、痛みの軽減が実際の目標であることを理解してもらう。
7. 水分摂取に関しては清澄水であれば、硬膜外無痛分娩中も摂取できることを説明する。
8. 分娩第1期に関しては、足が痺れていなければトイレ歩行は可とする。
⚫️麻酔範囲
分娩第1期はT10からLの範囲の痛覚をブロックし、分娩第2期はS2からS4の範囲をブロックする必要がある。
⚫️分娩室入室
本人確認(氏名・生年月日・ID番号)
分娩の進行状況(内診初見・破水の有無・陣痛開始時間・陣痛間隔)
既往症・アレルギー・検査データのチェック(GBS・血液データ・臍帯巻絡・羊水過少の有無)
同意書の確認
最終飲食時間の確認
無痛分娩を含めた他のバースプランの確認
入院時のバイタルサイン(血圧・脈拍数・体温・SaO2・検尿)チェック
胎児心拍モニター・陣痛計を装着し、異常がないことを確認。内診所見と合わせ、有効陣痛が始まっていることを確認する。
特に異常所見が無くて有効陣痛でなければ、帰宅させる場合もある。
分娩パルトグラムを準備し、入院時所見を記録する。
硬膜外麻酔記録用紙を準備
⚫️硬膜外麻酔手順
1. 処置中に室内にいるスタッフは、帽子・マスクを正しく着用する。
2. 18G針を使用し、ポタコールR500ml で輸液ルートを確保。
3. ビー・ブラウン社製の硬膜外麻酔キットを準備し、施行前に全例プレスキャンを行う。
4. 左側臥位で皮膚をイソジンで消毒した後、滅菌シーツを装着。肥満妊婦は座位とする。
5. 1%カルボカインで皮膚に局所麻酔を行う。
6. 脊髄くも膜下麻酔は施行せず硬膜外麻酔単独無痛分娩とする。
7. 穿刺・カテーテル挿入手技中に放散痛の訴えがあったら、針・カテーテルを抜き、再度穿刺し直す。
8. 硬膜を穿破した場合は記録し、椎間を変えて再挿入する。
9. カテーテルが挿入されたら、穿刺部位・皮膚から硬膜外腔までの距離・挿入の長さを記録する。
10. 局所麻酔薬投与前にカテーテルを吸引し、血液や髄液が吸引されないことを確認する。
11. 確認したら1%カルボカイン3mlを試験投与する。
12. 無痛分娩開始のタイミングは妊婦が希望した時とする。
13. 初回投与は0.1%アナペイン(1mg/ml)5ml(5mg)を1回のみ、カテーテルより注入する。
14. 体位は片効きを防ぐために上体を45度上げた仰臥位とする。
15. 血圧測定間隔は麻酔開始から30分までは5分毎、30分以降は30分毎とする。
注1. 局所麻酔薬を投与する度に、血管内への誤注入を疑う所見(めまい、耳鳴り、金属味、口周囲のしびれ感、多弁、興奮等)や、脊髄くも膜下腔への誤注入を疑う所見(急激な鎮痛や両下肢の痺れや運動障害等)が無いことを確認する。
注2. 異常所見を認めた時点で以後の局所麻酔薬投与を止め、人工換気と局所麻酔薬中毒治療(別途)の準備をする。
注3. 気分不良を伴う血圧低下(収縮期血圧<100mmHg)に対しては、左側臥位・急速点滴とする。
注4. 麻酔薬投与後30分内に見られる胎児徐脈に対しては、低血圧と過強陣痛が無いことを確認する。
⚫️鎮痛評価:初回投与15分後にVASにより鎮痛の評価を行う。30/100未満が目標。
⚫️麻酔範囲の評価:鎮痛評価と同時にコールドテストにより麻酔範囲を評価する。T10までの痛覚消失が得られたら、硬膜外麻酔持続投与を開始する。T4以上の鎮痛は高位脊髄くも膜下麻酔を疑う。
※ コールドテスト:保冷剤を首に当てて冷たさを確認する。それと比較して温い部位の高さを探す。
⚫️20分ほどしても鎮痛効果が現れない場合は、麻酔範囲を評価する。麻酔効果が全く得られていない場合は、硬膜外カテーテルを入れ換える。麻酔効果が得られているが、T10に及んでいない場合は、経過観察か0.1%アナペインを5ml追加投与する。
⚫️分娩第1期の管理:初回投与後に硬膜外麻酔持続投与
1. 0.1%アナペイン+フェンタニル2μg/mlの溶液を楽々フューザーに注入。
2. 投与速度は5.0ml/hr.で、効きすぎる場合は減量する。
3. 硬膜外無痛分娩中は絶食。上体を45度上げた仰臥位とし、少なくとも1.5時間ごとに鎮痛効果、麻酔範囲、体温、副作用の有無を確認する。
注1. 特に、カテーテルのくも膜下迷入による下肢運動障害、カテーテル血管内迷入による鎮痛効果消失や中枢神経症状(前記)、カテーテル神経刺激による放散痛の有無に注意する。
4. 胎児心拍・陣痛モニター、バイタルモニター(血圧・脈拍数・SaO2)を絶えず装着し、血圧測定間隔は30分ごととする。
5. 分娩第1期は足の痺れが無いことを確認してトイレ歩行可とする。同じ姿勢による神経圧迫や褥瘡の予防に努める。
6. 以下の場合に院長へコール。
鎮痛効果不良(VAS>30)、下肢の運動障害・痺れ、低血圧、胎児心拍数異常、嘔気・嘔吐、掻痒感、発熱、そのほか産婦の訴えなど。
7. 微弱陣痛を認めた場合は本人に説明(同意書にも記載あり)し、陣痛促進剤により適切な陣痛となるよう調節する。
8. 内診初見と合わせ、児頭の回旋異常の有無を超音波で全例確認する。
⚫️分娩第2期の管理
1. 臀部や膣の痛みを訴えたらカテーテルより0.1%アナペイン(1mg/ml)を5ml 投与する。痛みが取りきれない場合は5ml追加投与する。
2. 足が痺れる時はトイレ歩行は禁止し、導尿する。
3. 分娩時に努責のタイミングをうまくとれない場合は、陣痛計や触診を用いながら分娩介助者が努責のタイミングをコーチングする。
4. 分娩第2期が遷延した場合や怒責が弱い場合、硬膜外麻酔持続投与速度を落とす。
5. それでも怒責が弱い場合は説明し(同意書に記載あり)、吸引分娩とする。
⚫️分娩後
1. 分娩様式、アプガースコア、臍帯動脈pHを分娩パルトグラムに記入する。
2. 会陰縫合が終了したら、硬膜外麻酔持続投与を中止する。
3. 分娩後2時間でバイタルサイン・出血異常・下肢の運動麻痺が無ければ帰室する。
4. 帰室前に硬膜外麻酔カテーテルを抜去し、先端に欠損が無いことを麻酔記録に記載する。
5. 帰室時は起立性低血圧や下肢運動麻痺の残存により転倒リスクがあることに注意する。
⚫️フォローアップ
分娩翌日に麻酔後の回診を行い、神経障害や頭痛がないことを確認して診療録に記載する。
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≪無痛分娩看護マニュアル≫
入院時
バイタルサイン測定、尿検査、問診(陣痛開始時間、間隔、痛みの強さ、睡眠、最終食事時間・内容)
入院時内診所見・分娩進行の把握
胎児心拍モニター・陣痛計の装着
点滴ルート確保:18GにてポタコールR500mlでルート確保。血圧高い時はソルデム。
物品の準備
白ワゴン:パルトグラム、外来カルテ、硬膜外麻酔記録用紙、ボールペン
ステンレスワゴン:硬膜外麻酔キット、Dr.用手袋、マジック
テーブル:イソジン、布バン、テステープ(髄液の確認、糖が出たら髄液である)
カゴ:1%カルボカイン10ml 、0.2%アナペイン10ml(緑)、生食、楽々フューザー150ml
袋 上・下シール1枚、カテーテル1本、デルマポアドレッシング1枚。ロック式20ccシリンジ1本、ロック式10ccシリンジ1本、ロック式18G針2本
ベッドサイド⇒ゴミ箱、Dr.用椅子
硬膜外麻酔前の準備
体位:モニターを外し左側臥位とし、ベッドサイドまで寄ってもらい胸膝位の体位を整える。両膝を揃え、床に対して背中が垂直になるようにする。(血液でベッド汚染されないように)ロール紙を背中の下に挟む。
肥満妊婦の場合は坐位でも良い。
硬膜外麻酔カテーテル挿入手順
1. 体位をとる:不必要な露出を避け、ブライバシーの保持に努める。心理的支援が重要(BGM、スキンシップ、保温に努める)
① ベッドの端まで下がる
② 横向きのままで両膝を両手で抱え込む(脊柱は分娩台と水平、背面は分娩台と垂直)
2. 穿刺部のマーキング:油性マジック準備すること。
㊟ 患者から見えない位置の為、手順の説明をしながら不安の軽減に努める。
3. 硬膜外麻酔キットを開ける。
4. 清潔操作で消毒用の皿にイソジン(消毒薬が飛び散らないように台の外側で注ぐ)を、生食用のカップに生食20mlを注ぐ。
5. 局所麻酔薬:1%カルボカイン10mlを吸いやすいようにDr.へ向ける(薬品ラベルを麻酔医に見えるように向け、口頭でも薬品名を告げる)
㊟ 局所麻酔の効き具合を確認するため、患者の反応を観察すること
患者の表情や発汗状況等、視覚から得られる患者の状況をDr.へ伝えること
痛みはとれるが知覚は残ることを伝えておくこと
6. 術者がシーツを装着:不潔にならないように介助者が広げる。
7. カテーテルの挿入:体位がしっかりとれるよう保持しておく。
8. テープ固定:
カテーテルの穿刺部が見えるよう透明テープを貼る。
下肢を伸ばしてから貼ると仰臥位に戻ってからのつっぱり感が減る。
背面に沿ってテープを貼る。(背骨で圧迫しないよう背骨の上は避けること)
※ 汗かきの妊婦はテープが剥がれやすいので、しっかり汗を拭き取ってからテープを貼ること。
9. カテーテルの先端を黄色袋に入れる。
10. 上体を45度上げた仰臥位へ体位変換し、胎児心拍モニターおよび陣痛計を装着する。
局所麻酔薬の試験投与:試験投与だけでなく局所麻酔薬を投与する度に以下に注意する。
注1. 神経刺激症状、血管内迷入の症状に注意する(めまい、耳鳴り、金属の味、興奮、多弁、口のしびれ等)。
注2. くも膜下腔迷入の症状に注意する(足の痺れ、運動障害、手が握りにくい、声が出しにくい、低血圧、呼吸障害、意識消失)。
硬膜外麻酔カテーテル挿入後(分娩第1期)の管理
ベッド中央に体勢を直し、上体45度の仰臥位で胎児心拍モニターおよび陣痛計を装着する。
麻酔開始は妊婦が希望した時とする。
初回投与は0.1%アナペイン5mlを1回のみ。投与直後は、低血圧、過強陣痛、胎児一過性徐脈に注意する。
上記の注1.・注2.に注意する。
・会話などを通し、30分間はベッドサイドについて患者の状態を観察し、コミュニケーションに努める。
・血圧測定:初回投与から30分間は5分間隔、30分以降は30分間隔で測定する。
・会話は今までと同じように出来ているか。(興奮状態や多弁は局所麻酔薬中毒の可能性、不穏状態はアナフィラキシーショックの兆候の可能性)
・痛みがとれているか? 満足しているか? 快適であるか?
・初回投与後15分で鎮痛効果と麻酔の広がりを確認する。鎮痛効果はVASを使用し、麻酔範囲は保冷剤を使ってコールドテストを行う。
※ コールドテスト:保冷剤を首に当てて冷たさを確認する。それと比較して温い部位の高さを探す。
・バイタルサインの結果と合わせて必ずDr.へ報告する。
・初回投与後、0.1%アナペイン+フェンタニール2μg/mlのカクテルを、楽々ヒューザー150mlを用いて5.0ml/hr.で持続投与する。
・悪心・嘔吐・掻痒感が強い時は減量する。
・鎮痛効果、麻酔範囲、体温は、おおよそ1時間毎にチェックする。
・痛みがとれない場合、分娩が進行している、またはカテーテルの位置が悪いことが考えられる。(信頼できるカテーテルであるか? カテーテルが抜けていないか?)
・鎮痛効果が無ければDr.報告し、0.1%アナペイン5mlを追加投与する。
・それでも鎮痛効果が無ければ、カテーテルを入れ替える。
・有効陣痛がきているかをチェックする。
・微弱陣痛と判断されたら、陣痛促進剤により適切な陣痛となるように調節する。
・ダラダラ分娩にならないように努める。
注. 陣痛計は子宮収縮が判別出来るようにしっかり装着する。無痛分娩中の陣痛促進剤の使用は痛みを感じないため、過強陣痛や子宮破裂を見落とすことになる。
・分娩第1期の進行予測:内診間隔に関しては、自然分娩時と同じ。
・無痛分娩中は禁食とする。
・水分摂取に関しては清澄水であれば、硬膜外無痛分娩中も摂取できることを説明する。
・分娩第1期に関しては、足が痺れていなければトイレ歩行は可とする。その際は必ず足が痺れていないか、しっかり立てるか確認し、看護スタッフの付き添いの元にトイレに誘導する。
分娩第2期の管理
分娩第1期の腹部の痛みから、痛みの場所が変化して臀部や膣の痛みを訴える。これは児頭がステーション±0付近まで下がってきていることを意味し、S領域に痛みが伝わる(児頭が母体の骨盤下部をゴリゴリ圧迫する)。
・内診と痛みの部位とVASにより分娩進行と痛みの強さを確認する。
・VASで痛みの強さと場所を確認したら、0.1%アナペイン5mlを投与する。
・投与15分後に再度VBSにより鎮痛効果を判定する。
・バイタルサインチェックや観察項目は、分娩第1期と同じ。
・アナペイン5mlでも鎮痛効果が得られない場合はコールドテストし、麻酔範囲がS領域まで得られていたら、再度5ml追加投与する。
・麻酔範囲が得られていなければ、カテーテルを入れ換える。
子宮口全開大から分娩の管理
① 問題なく痛みがとれていることを確認。
② 分娩体位をとる。
③ 会話やコミュニケーションをとり、不穏がない、リラックスしていることを確認する。
④ 努責の誘導:無痛分娩の場合、努責のタイミングが遅くなりやすいので陣痛が始まるタイミングで努責を促し、効果的ないきみを誘導する。
⑤ 肛門括約筋の収縮が弱くなっているので、会陰保護をしっかりする。
⑥ 発露からは短促呼吸に変え、力を抜いてゆっくりと児頭を娩出させる。
⑦ 怒責が弱いなど、必要があれば吸引分娩の準備をする。
分娩第3期の管理
① 児が娩出したらアトニン5単位を点滴内に混注し、全開で静注する。
② 2本目は経産婦にはアトニン5単位をポタコールR250mlに混注し、維持する。
③ 会陰切開縫合の介助。
④ 会陰切開縫合終了後、硬膜外麻酔持続の楽々フューザーをOFFにし、バイタルサインや気分不良の有無のチェック。
⑤ 分娩後2時間の出血・子宮収縮等に問題が無ければ硬膜外麻酔カテーテルを抜去し、帰室する。
⑥ 膣壁血腫等を認め、再度処置を必要とする場合は鎮痛目的に硬膜外麻酔を使用するため、カテーテルは指示があるまで抜去しないで残しておく。
硬膜外麻酔カテーテルの抜去
物品:アルコール綿、注射バン
分娩2時間後、バイタルサインや出血異常が無いことを確認し、カテーテルを抜去する。
① 楽々フューザーがOFFになっているか確認。
② 側臥位とし、産着の上半身脱いでもらう。
③ 布バンとチューブを首側よりはがす。穿刺部は抜けないように、布バンのみはがしていく。
④ 穿刺部はアルコール綿でおさえながら、カテーテルを抜去する。カテーテルの先端に欠損が無いか確認する。
⑤ 出血や、浸出液等みられなかったら、注射バンを貼る。
無痛分娩における致命的合併症
① 全脊髄くも膜下麻酔:カテーテルのくも膜下迷入が原因
吸引テストで液が引けた場合、テステープにて糖が出るのでそこで気付くべき。
初発症状としては急激な鎮痛。(数分で痛みが取れる)
足の痺れ、足が動きにくくなる。
徐脈・低血圧
手が握れにくくなる。
声が出しにくくなる。
呼吸しづらくなる。
呼吸障害・意識障害
対応
徐脈・低血圧を認めたら左側臥位、急速輸液、エフェドリン4mgを投与。
人を集めて人工換気で呼吸のサポートを行う。
② 局所麻酔薬中毒:カテーテルの血管内迷入→早発型(全然痛みがとれない)
局所麻酔大量投与→遅発型(神経毒性・心毒性)鉄の味、めまい、耳鳴り、興奮、多弁、けいれん、呼吸抑制、不整脈・低血圧、
対応
初発症状が認められた時点で局所麻酔薬の投与は中止。
イントラリポス100mlを1分かけて投与。残り150mlを15分かけて投与する。
5分後、循環の改善が得られなければ再度上記を繰り返す。
不整脈を見逃さないために心電図の装着。
痙攣に対しては、セルシン3〜5mgを投与。投与後の呼吸抑制に備えて人工換気の準備も行う。
無痛分娩時に起こりやすいその他の合併症
① 麻酔開始後、過収縮が起こり、胎児一過性徐脈が起こりやすい。
・体位変換、酸素投与、アトニン投与中であるば投与ストップ。
・腹壁がカチカチなら、子宮を緩めるためミリスロール0.2ml投与。
② 微弱陣痛
・アトニンにより分娩を促進。
③ 回旋異常
・骨盤低筋群の弛緩と放置・・・オキシトシンで対応する。体位変換、吸引分娩など。
・ブレイクスルーペインが起こる
④ 機械分娩
・事前にインフォームドコンセント。(同意書に記載してある)
⑤ 産科出血
・経膣800ml以上、帝王切開1500ml以上
・末梢が開いている・・・出血↑、会陰裂傷大きくなりやすい
・血圧低下↓脈拍上昇↑・・・ネオシジン投与、効かなければエフェドリン
・SI:1以上・・・輸血・搬送準備
・SI:1.5以上・・・輸血
⑥ アナフィラキシーショック
・不穏になる。
・血圧低下↓頻脈↑、顔が赤い・・・ネオシジン(エフェドリンではない)
ネオシジン効かなければエピペン(アドレナリン)筋注。
⑦ 羊水塞栓症
・血液サラサラの大出血、DIC、アナフィラキシー様反応、不穏が起こる。
・子宮型羊水塞栓症・・・フィブケア®️にてフィブリノーゲン測定。150mg/dl未満なら常備しているフィブリノーゲンを3g補充し、緊急母体搬送する。
⑧ 硬膜穿刺後頭痛
・髄液が漏れた後、脳圧が低下する。頭蓋内陰圧になる(頭蓋内出血の可能性)
血管が拡張する、血管が膨らんで痛い。
起き上がると髄液が漏れ、15分以内に痛くなる。寝ると楽になる。
体位依存性の頭痛
⇒安静、痛み止め。改善しない場合は自己血パッチ施行。
⑨ 発熱:局所麻酔薬の副作用(感染症との鑑別)
⑩ 掻痒感・吐気・嘔吐:フェンタニルの副作用。